探偵事務所に勤務していた経験をもつ野村雄二が実際に担当した調査の事例を紹介します。守秘義務があるので個人が特定できない範囲の情報を掲載しています。浮気調査や個人調査を考えている人の参考になれば幸いです。
トラブルの概要
旦那さんが浮気をしたため、奥様が探偵事務所に浮気調査を依頼しました。旦那さんは会社の役員であり、業務が多忙であまり家には帰らないという人。奥様は旦那さんの立場や年齢を考えてあまり浮気に関することを口にはしませんでした。
旦那さんの浮気相手は行きつけのスナックの女性だったようです。奥様は旦那さんの様子を知って、浮気が確実と感じていました。旦那さんのスマホやスケジュール帳には明からさまに女性とのやりとりが残されていて、会う日にちや時間、場所までもが書いてありました。
スナックなので、同伴してからお店で飲み、その後、店の終了と同時に女性の自宅で再会するという具体的なメールのやりとりでした。依頼を受けた探偵事務所は、すぐに調査を実施しました。
すると、平日や休日を問わず、旦那さんは頻繁に女性と会い、自宅やホテルに出入りして浮気していることがわかりました。「不貞の証拠」であるラブホテルへの出入りも確認できたため、調停や裁判に訴えても確実に勝てるような証拠がとれました。
奥様は調査結果に納得しましたが、もっと浮気調査を継続して証拠固めをしていきたいと訴えました。5~6回にわたる浮気調査の契約を交わし、奥様から連絡のあった日に調査員が出動するという契約がなされました。
しかし、数回ほど調査をしていたある時、調査員の目の前に突然、依頼者である奥様が姿を現しました。浮気相手の女性のアパート付近で調査していた際、奥様が女性の部屋のドアを何度も叩き、さらにチャイムを数回鳴らしてその場を去っていく姿が確認されました。
これは明らかに浮気相手の女性への嫌がらせ行為で、それを目撃した調査員はすぐに奥様に連絡、話を聞くことにしました。奥様は怒りから浮気相手の女性が許せず、迷惑行為をして気分を晴らそうと考えていたようです。
探偵事務所はこの行動と話の内容を聞いて、契約を解除することを伝えました。奥様は納得せず怒りましたが、契約書に明記されている内容に反する行動をとったことを理由に、契約解除に納得してもらいました。
トラブルの原因
こういったケースも多くあり、依頼者自身が浮気相手に対して嫌がらせや迷惑行為をしてしまうパターンです。これも契約書に記載されてある「契約違反行為」にあたることです。
浮気相手への怒りと、問題解決への焦り、動揺がトラブルに至る原因といえます。浮気をされた側は被害者といってよい立場ですが、「不貞行為」という契約違反には、きちんと法律で対処するべきでしょう。
個人的な恨みは怒りで行動を起こさず、調査員のアドバイスに従って問題を解決していくべきです。
トラブルの対策
浮気問題は、絶対に信頼できる友人や親族、調査員に話したりすることで悩みや不安を緩和することができます。心理的な変化から普段はとらないような行動をしがちですが、自制の気持ちが大切です。
探偵事務所と契約する際には、契約書に書かれている細かい記載内容まできちんと質問して納得した上で、お互いが合意して契約すべきです。
記事の担当
探偵事務所 元調査員:野村雄二
大学卒業後に警備会社に就職。その後大手の探偵事務所に転職し、調査員として300件以上の浮気調査、企業調査、素行調査、結婚調査などを担当。探偵として一人一人のお悩みに向き合いながら、多くの調査をして相談者を解決に導く。10年以上に渡って勤務し、現在はその経験を活かして探偵に関する情報提供やコンサルティング、ライティングなどに従事している。2016年から探偵ポータルの編集長として探偵に関する記事を担当している。