探偵事務所に勤務していた経験をもつ野村雄二が実際に担当した調査の事例を紹介します。守秘義務があるので個人が特定できない範囲の情報を掲載しています。浮気調査や個人調査を考えている人の参考になれば幸いです。
調査の概要
ある企業から大口の取引をしたいと申し出があり、その取引を受けるか否か、依頼者の社長様が迷っている様子でした。信頼できる会社かどうか取引先の企業を調査し、依頼者様の今後の業績につながるか判断する。
依頼主の年齢:51歳
依頼主の性別:男性
総調査期間:6日間
料金:60万円
相談内容
会社を経営している社長様からの依頼で、ある企業から大口の取引をもちかけられたとのこと。しかし、自社の商品を後払いで買い取るという提案に迷いを感じたため、先方の担当者と話しを詰めていった。
しかし、具体的な話になればなるほど、担当者は話をはぐらかしたり、表情がくもったりする様子で、信ぴょう性が感じられない。かといって、信頼できる会社であれば、大きなビジネスチャンスになるため、話を断るわけにはいかないとのこと。
取引をもちかけてきた会社の実態を調査し、「信頼できる会社であるか」どうかを判断してほしいという相談でした。
調査内容
企業に対する調査のため、まずは会社の概要などを調べ、会社としての体裁が整っているかどうかを判断しました。会社そのものは実在し、事務所もかまえている普通の会社です。
商品販売のサービスを行っていて、従業員は少ないものの、社員の印象や事務所の様子から、一見、問題のない企業という印象を受けました。しかし、会社の実情を調査するため、公的資料を多数取り寄せたところ、記載事項と実際の業務にかなりの違和感を感じました。
まず、本社の住所が記されている資料では、過去に何度も住所を変えて、事務所を転居していることが判明。さらに、事業内容についての記載と、実際の業務が違っていることがわかりました。
過去の事務所の所在地、事業内容、代表者などがバラバラであり、企業としての統一性がなく、何の業務で利益を上げている会社であるか、不明な点が多くありました。
明らかに、企業としての利益の実態がない状態で、社名や代表者を変えて、転居を繰り返している幽霊企業であると思われました。事実を報告し、依頼者の社長様には納得していただきました。
調査を終えての感想
依頼者の社長様は調査結果を知り、取引を中止することを決断。自社の商品を奪われてしまう可能性があると判断して、取引には応じないことにしたそうです。
こうした調査は、マイナスになる要素を防ぐための調査であり、企業にとってプラスの効果をもたらすものではありません。しかし、取引に応じて大きな損失を出してしまった場合は、会社にとって存続の危機になります。
それを防ぐことで、依頼者の社長様や社員の方々を守るかたちになれば、調査としては成功といえるかもしれません。
記事の担当
探偵事務所 元調査員:野村雄二
大学卒業後に警備会社に就職。その後大手の探偵事務所に転職し、調査員として300件以上の浮気調査、企業調査、素行調査、結婚調査などを担当。探偵として一人一人のお悩みに向き合いながら、多くの調査をして相談者を解決に導く。10年以上に渡って勤務し、現在はその経験を活かして探偵に関する情報提供やコンサルティング、ライティングなどに従事している。2016年から探偵ポータルの編集長として探偵に関する記事を担当している。