探偵事務所に勤務していた経験をもつ野村雄二が実際に担当した調査の事例を紹介します。守秘義務があるので個人が特定できない範囲の情報を掲載しています。浮気調査や個人調査を考えている人の参考になれば幸いです。
調査の概要
婚約を考えている男性がいるが、なぜか最近は連絡がとれず会うこともできていないと心配する女性。婚約の話しはなかったことになるのではないかと、彼の居場所を確認するよう結婚調査を依頼してきたもの。男性に対する素行調査を行い報告する。
依頼主の年齢:26歳
依頼主の性別:女性
総調査期間:1週間
料金:0円(調査中止案件)
相談内容
婚約を考えている男性と、最近連絡がとれなくなってしまった。メールを送っても返事がなく、会いに行っても自宅にはいないとのこと。女性は婚約がなくなるのではないかと心配して、調査を依頼してきました。
調査内容
まず、女性から彼の自宅の場所を聞き、調査員が張り込みを実施。すると、3日に1回程度は帰宅していることが判明しました。さらに、彼の行動調査を実施して、生活の中にトラブルがないかを確認。
翌日の朝から彼を追跡したところ、きちんと職場へ行き、外回りの仕事をして帰社し、退社後は友人と一杯飲んだあとで、そのまま友人の家に泊まっていたことがわかりました。
3日目も同様に調査を行っていましたが、平日に会社を休んでいる様子で、友人宅から出てから、どういうわけか管轄の警察署に入っていくところを確認できました。
調査員はその行動を見て、依頼者の女性には連絡をせず、そのまま調査対象者である男性と接触を試みました。こちらの身分を明かしたところ、男性の口から思わぬ言葉がとびだしました。
実は男性は、女性との交際はとっくに終わっていたものの、彼女のストーカー行為に迷惑して連絡を絶ったことがわかりました。男性のケータイには女性からの異常な数のメールが入っており、自宅に帰れば待ち伏せされたこともあるとのこと。男性は困り、ストーカー規制法が適用されるか警察署に相談に行ったということが判明したのです。
探偵事務所としては、ストーカーの加害者にあたるかもしれない依頼者と契約を結ぶことはできませんので、すぐに契約を解除して調査を取りやめました。
ストーカーという文言は出しませんでしたが、契約を解除することで合意してもらい、終了したという事例です。
調査を終えての感想
依頼者の女性がまさかのストーカ―目的で男性の結婚調査を依頼してきたというケースです。一歩まちがえれば、探偵事務所がストーカーの加害者に加担してしまうような非常に危険な調査事例でした。
結婚調査といっても、こうした事例があるため、安易に依頼を受けることは危険です。あとは警察署に内容をこちからからも報告しておき、対応をまかせて、この調査からは撤退するという決断をしました。
記事の担当
探偵事務所 元調査員:野村雄二
大学卒業後に警備会社に就職。その後大手の探偵事務所に転職し、調査員として300件以上の浮気調査、企業調査、素行調査、結婚調査などを担当。探偵として一人一人のお悩みに向き合いながら、多くの調査をして相談者を解決に導く。10年以上に渡って勤務し、現在はその経験を活かして探偵に関する情報提供やコンサルティング、ライティングなどに従事している。2016年から探偵ポータルの編集長として探偵に関する記事を担当している。