大学生時代から仲良し4人組の私たちのグループの中で最もおとなしめタイプのマキ(仮名)は結婚はグループの中では一番乗りで25歳での結婚でした。おとなしい感じなのに恋愛には結構積極的だったので、まぁ早めの結婚も十分に想定内といった感じでした。私自身はマキとは結婚してからも年に2、3回は会っていたのですが、結婚して6年めぐらいまでは本当にラブラブでノロケ話ばかり聞かされていました。でも幸せそうなマキの顔を見ているとこちらまでホッコリと嬉しい気持ちになっていました。
そうこうしているうちに私たちの結婚残り組も次々結婚してそれぞれが専業主婦になって暇をもてあますようになりました。バリキャリタイプだった友人も、すっかり主婦業が板について、そんな中で昨年の忘年会でみんなと再開した時に酔いが程よく回ったマキが突然の爆弾告白をしたのです。それは、なんと不倫をしているという内容でした。みんな、え!と一瞬息を呑みました。
マキによれば結婚4年目を過ぎたあたりから、どうやら彼とはうまくいかなくなったそうなのです。実は結婚してからすぐに子作りを始めたものの、全く妊娠できず不妊治療を1年ぐらいやったのですが、お金ばかりかかるし効果は出ないということで、自然に任せることに決めたのだそうです。でも不妊治療を一年している間に、旦那さんの方がどんどん冷めてきて、不妊治療にも一切協力してくれなくなったらしいのです。
マキは、そんな冷淡な夫に対して憎しみさえ抱いたそうです。マキのそんな気持ちは想像しただけでもこちらまで苦しくなるほどでした。そして、たまたまマキがパートに出ていた先のデパートの上司と不倫関係になっているのだという告白へと話が進んだのです。その上司とは今も関係が続いているそうです。週に一度は会っていて、なんと今までに2度ほどハワイや台湾などへも不倫旅行に行っているということでした。彼女は、冷え切った夫との関係を解消したいけれど、夫サイドは離婚はしないという態度だそうで、冷え切っているのになぜ別れてくれないかがわからないと泣いていました。
不倫相手に対しての愛情は深まる一方なのですが、そのパート先の上司はなんとなく遊びなのではという雰囲気なのだそうです。これはマキは優しい女子のように見えるので、結構いいように利用されているのかな、という気持ちもしないでもありませんでした。でもそれはマキには絶対に言えませんでした。やっぱり、マキも今唯一の心の拠り所は不倫相手なのですから、少しでもチャンスが有る限りは、そのチャンスに賭けたいという気持ちがあるのは十分に同じ女性としても理解できます。
不倫はたいてい女性の方が泣くことになるようなきがしています。彼女だけではなく他の友人でも同じような不倫で涙を流すケースが非常に多かったからです。やはり男性はあくまでもうまく行っていない家庭だとしてもそれを捨ててまで不倫相手と結婚をして新しい生活をスタートさせようなんてこれっぽちも思ってない輩が多いのです。
マキには、本当に幸せになって欲しいと心から願っている私ですが、この不倫に関しては何も手を差し伸べてあげることはできません。ただ彼女の愚痴を静かに聞いてあげることだけなのです。マキに限らず夫との仲が冷めてしまったら、やっぱり私だって優しくしてくれる男性がいたらきっと彼に依存してしまうことでしょう。それが女性の悲しい性なのかもしれませんね。
マキはいまだに不倫相手とデートや小旅行を重ねているようですが、本当はこんな無意味な関係は早く断ち切るべきだと思います。これ以上マキが傷つく姿を見たくないというのが正直なところですが、なんとも複雑な問題なので今は、私もそっと傍観するしかありません。