探偵事務所に勤務していた経験をもつ野村雄二が実際に担当した調査の事例を紹介します。守秘義務があるので個人が特定できない範囲の情報を掲載しています。浮気調査や個人調査を考えている人の参考になれば幸いです。
調査の概要
奥さんが浮気をしているため、不貞の証拠をおさえ、浮気相手を確認する。これまで1年間ほど浮気相手のことを聞いてきたが、まったく知らないフリをして話になっていない。確実な証拠をおさえて、問題解決に導く。
依頼主の年齢:45歳
依頼主の性別:男性
総調査期間:3週間
料金:25万円
相談内容
奥さんが仕事をサボッては浮気相手とどこかへ出かけている様子で、ここ1年ほど浮気が続いているとのこと。お金の使い方が荒く、行くはずのない場所で買い物をしたレシートなどが平然と置いてある状態。しかし、旦那さんも仕事が忙しく、生活がすれ違っているため、きちんと話ができず、はぐらかされている。
旦那さんは怒り心頭で、反論してくる奥さんに誠意をもって答えさせたいとの要望。浮気相手を確認して、不貞行為の証拠をおさえてほしいとの相談でした。
調査内容
まずは奥さんが休日に出勤するという日に追跡調査を実施しました。すると、案の定浮気相手と思われる男性と会い、そのまま食事してデートを楽しんでいる様子を確認。旦那さんには随時報告し、連絡を待ちました。デートの先は県外であり、追跡には時間も料金もかかってくることから、旦那さんから許可をもらう必要があります。
調査続行の意思を確認したので、そのまま追跡したところ、2人が旅館に入っていく場面を撮影することに成功しました。かなり有力な証拠がとれましたが、2人が宿泊する予定だったため、調査員もそのまま待機。車中で1泊して張り込みを続け、翌日の朝に2人が出てくるシーンを撮影しました。
その日は証拠がとれたところで調査を終了。後日、再び連絡があった時に出動する予定でした。しかし、その途中でトラブルが発生。浮気相手の素性を知った旦那さんが相手の男の家の敷地内に入り、車の中から証拠がとれるか物色してしまったとのこと。
調査員はすぐに契約違反である旨を告げ、調査を強制終了して契約を解除しました。
調査を終えての感想
契約書には、依頼者が違法行為をおかした場合は契約違反となり、すぐに調査を打ち切って契約解除することを明記してあります。
怒りに駆られたとはいえ、浮気相手の家の敷地内に入れば、住居侵入罪が成立しますし、車の中を物色して物をとった場合などは窃盗罪が成立します。
探偵事務所も犯罪者に加担するような業務は行えませんから、こういった感情的な行動は、かえって調査の邪魔になってしまうのです。
依頼者であっても、双方が法律を守った上で、初めて契約が成立します。浮気問題では、怒りから感情的な行動に走りがちですが、浮気に対しては厳正に法で対処していく必要があるのです。
記事の担当
探偵事務所 元調査員:野村雄二
大学卒業後に警備会社に就職。その後大手の探偵事務所に転職し、調査員として300件以上の浮気調査、企業調査、素行調査、結婚調査などを担当。探偵として一人一人のお悩みに向き合いながら、多くの調査をして相談者を解決に導く。10年以上に渡って勤務し、現在はその経験を活かして探偵に関する情報提供やコンサルティング、ライティングなどに従事している。2016年から探偵ポータルの編集長として探偵に関する記事を担当している。