探偵事務所に勤務していた経験をもつ野村雄二が実際に担当した調査の事例を紹介します。守秘義務があるので個人が特定できない範囲の情報を掲載しています。浮気調査や個人調査を考えている人の参考になれば幸いです。
調査の概要
5年前に旦那さんが仕事を早期退職して以来、毎週のようにバーに飲みにいくようになった。浮気相手はキャバクラの女性だということがわかっており、その事実を証拠としておさえる。
すでに離婚は決まっていて、調停では決着がつかなかったので、裁判に訴える準備をしているとのこと。双方弁護士を立てているため、原告(奥様)の弁護士と協議しながら、裁判で勝てるだけの証拠をおさえる。
依頼主の年齢:52歳
依頼主の性別:女性
総調査期間:3か月
料金:58万円
相談内容
旦那さんは46歳の時に会社の方針で早期退職をしたとのこと。退職金を使って住宅ローンを完済したものの、仕事をしなくなってからは遊んでばかり。キャバクラの女性にお金を貢ぎ、やがて浮気をするようになりました。
2人はすでに離婚の意思を固めていたものの、親権や財産分与のことで決着がつかず調停離婚に発展していました。旦那さんは退職金を使ってローンを支払ったため、奥様の退職金を等分すべきと訴えていましたが、奥様が反論して裁判で戦うことになったとのこと。
弁護士が裁判で必要な証拠を求めているため、「浮気の実態」を調査し、「財産分与の相当額」を決めるための証拠がほしいと相談してきました。
調査内容
すぐに旦那さんの行動調査を開始したところ、1か月で4~5回ほどキャバクラに行き、浮気相手の女性を指名して飲んでいた事実が判明。裁判において、仮に奥様の退職金を等分しても、その使い道が飲み代として消えることが想像できるでしょう。このことから、旦那さんの金銭感覚に対する裁判官への印象が悪くなり、被告(旦那さん)の意見が聞き入れられないことの要因になります。
しかし、3か月間浮気調査をしても、キャバクラの女性との間に「不貞の証拠」はなく、2人がラブホテルに入るなどの事実は確認できませんでした。飲んだあとは深夜でも帰宅し、キャバクラの女性とは、あくまで「客とスタッフ」という関係にとどまっていたようです。
調査を終えての感想
不貞の証拠は確認できませんでしたが、旦那さんの素行調査などが功を奏して、裁判にかなりの影響を与えたようです。結果的に原告の奥様が勝利するかたちとなり、旦那さんは家を出ることになりました。
キャバクラの女性に貢いだお金は相当な額で、これまでかなり家計を圧迫していたようでした。この事実が確認されたことから、「婚姻を継続しがたい重大な事由」が適用され、判決が下りました。
浮気をしていなくても、離婚の原因は色々とあります。その事実が確認できれば、調停や裁判で有力な証拠となり、離婚の際に大きく影響するでしょう。
こういった調査では、調査員もキャバクラに入るなどの内偵を行うため、かなりの調査費用がかかってきます。浮気調査には有料施設への出入りなどで別途料金がかかるので、その典型的な例といえるでしょう。
記事の担当
探偵事務所 元調査員:野村雄二
大学卒業後に警備会社に就職。その後大手の探偵事務所に転職し、調査員として300件以上の浮気調査、企業調査、素行調査、結婚調査などを担当。探偵として一人一人のお悩みに向き合いながら、多くの調査をして相談者を解決に導く。10年以上に渡って勤務し、現在はその経験を活かして探偵に関する情報提供やコンサルティング、ライティングなどに従事している。2016年から探偵ポータルの編集長として探偵に関する記事を担当している。