探偵事務所に勤務していた経験をもつ野村雄二が実際に担当した調査の事例を紹介します。守秘義務があるので個人が特定できない範囲の情報を掲載しています。浮気調査や個人調査を考えている人の参考になれば幸いです。
調査の概要
付き合っていた男性に多額のお金を貸していたが、彼は音信不通になり、交際が途絶えてしまった。女性はようやく結婚詐欺かもしれないと感じたため、事実確認をする。
依頼主の年齢:34歳
依頼主の性別:女性
総調査期間:3か月間
料金:42万円
相談内容
つきあって1年の彼氏がいて、信頼できる男性と信じて遠距離恋愛を続けていた女性。しかし、ある時から男性は父親が病気になったことから、入院にお金が必要になったと言い、女性からお金を借り始めたようです。
男性は父親の病気がなおったら結婚を考えている旨の話をしていたため、女性は「自分の義父」になる人の病気を治したいという思いからお金を貸していました。その額は数百万円。
しかし、数か月たっても男性はお金を返す気配がないことから、女性が問い詰めると、男性は怒りはじめ、そのことをきっかけに次第に連絡をとらなくなってしまったようです。
ただし、1か月に1回くらいはメールなどをするため、そこでもお金の話をして、返金するよう促したのですが、やはりそのことについては連絡なし。女性は仕事が忙しく、遠距離の彼のところへは行けないため、結婚調査を依頼してきました。
調査内容
女性が貸したという金額を証明するためのメールのやりとりや、付けていたメモなどを確認しました。これは刑事事件に発展するおそれがあるため、弁護士とも相談し、調査に同行してもらました。
まず、男性の居場所を確認するため、現地の調査員に稼働してもらい、男性が生存している事実を確認。後日、女性から数回のメールを連続して送り、会いに来るよう促しました。
すると、男性はしぶしぶ現れて、女性と調査員、弁護士の前で話しをすることになりました。結果として、女性とは結婚する意思がなくお金を借りていたことが判明。
しかし、3人の前できちんと借りた金額を確認して、返金することを約束しました。結婚する意思はなくとも、返金しようかとは思っていたとの回答、さらに、借りた金額を全額返金することで話しがまとまったため、詐欺罪は適用しませんでした。
書面にその意思を書き、事態が収拾したという事例です。
調査を終えての感想
女性はかなりショックを受けて泣いていましたが、溜め込んでいた思いをぶつけ、怒りをあらわにしました。
こういった男女のトラブルはあとを絶ちませんが、一度信じてしまった女性は、返金を求めて相手に強くでられると、それ以上は言い返せなかったようです。
傍からみれば明らかに結婚詐欺を想像させる事例ですが、恋愛で信じてしまっている段階では、その感覚がマヒしてしまうようです。
彼は借りたお金のうち、数十万円を使っていましたが、残りを全額返金し、あとは働いて返していくという意思を示しました。
記事の担当
探偵事務所 元調査員:野村雄二
大学卒業後に警備会社に就職。その後大手の探偵事務所に転職し、調査員として300件以上の浮気調査、企業調査、素行調査、結婚調査などを担当。探偵として一人一人のお悩みに向き合いながら、多くの調査をして相談者を解決に導く。10年以上に渡って勤務し、現在はその経験を活かして探偵に関する情報提供やコンサルティング、ライティングなどに従事している。2016年から探偵ポータルの編集長として探偵に関する記事を担当している。