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ナンパしてきた20歳年上の男性と不倫が始まった経緯

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不倫の体験談
およそ20キロのダイエットを成功させ、私は辟易していたクソ田舎を捨て、そこそこ人が住んでいる町へ引っ越した。20年住んでいた田舎は、とうとう私を幸せにはしてくれなかった。度重なる父親の借金。アル中だったから、ろくに仕事もしないし、暴れる。顔を見れば、お金を貸してくれと何度も懇願する。だから、全てを捨てて、何もかも変えたくて、赤いマニキュアを施し電車に乗ったのだ。全く0からのスタート。借りた部屋は、私の人生の3倍もの時を知っているボロアパートだった。

気合を入れて臨んだ新しい職場での仕事だったが、私は徹底的に嫌われた。理由は色々あったようだが、女上司に気を使い過ぎたところも余計に腹を立たせた原因だったようだ。でも、それがなぜ悪いのか私はさっぱりわからない。頑張れば頑張るほど、相手は調子に乗った。

「死にたい……」

鬱だったのかもしれないな。私は、そのころ高いところを目にすると、そこから飛び降りたくなると言う心情になることがよくあった。変わりたくて、幸せになりたくて大変身して飛び出してきた町だったけれど、田舎育ちの小娘には太刀打ちできない場所だったのかもしれない。そんなことを思いながら一人歩く夜の街で、彼と出会ったのだ。

「なんか寂しそうだね。どこに行くの?」

そんな、都会に行ったら絶対に近づいちゃいけない男の言葉に、当時はちょっとだけ嬉しく感じたことを憶えている。もう、どうなってもいいと思っていたからなのかもしれない。私は、その男に愚痴った。「生きるって大変ですね」って。彼と言っても、私よりも20才近く年上の人。仕事が上手く行かないこと、上司からいじめを受けていることなどを男に言ってしまった。

上下ダルダルの服を着たその男性は、近くの喫茶店に行こうと私を誘った。昼まであれば、絶対に一緒にいたくないような風貌だ。でも、私は付ついて行ったのだ。どうもこのまま帰宅しようとしたら、今日は本気で家までたどり着けないだろうと思ったからだ。覚えたてのタバコと大人ぶったコーヒー。男は、終始笑顔を絶やさなかった。そして色んな話をした。どこから来たのか?どんな仕事をしているのか。私は、どの質問もテキトウに交わした。

「アタシ、金星から来たの」
「アブナイ仕事かもよ?」

男は、そんな私のふてぶてしい態度に怒ることもなく、やっぱり笑顔で面白いねと言った。そして、一つだけ私に言ってきたことがあった。

「一つだけいいかな?君に赤いマニキュアは似合わないよ……」

……。
その時だけ、男は真顔で言ったような気がした。こんなしょうもないデートをしている相手に、わざわざ言うことでもないのに。男は、私の分の会計も済ませると、楽しかったと言ってどこかに消えて行った。男のダルダルの後ろ姿を見つめながらちょっと後悔した。もっと、ちゃんと質問に答えるべきだったよなって。

どうして、マニキュアのこと言ったんだろう……。

二度と会うことなどないダルダルおじさん。ところが、わずか一週間後に再会することとなる。それは、夕暮れ時、私はファストフード店でハンバーガーを食べていた時だった。そして、これが私の不倫の始まりとなる。

「こんなところで何しているの?」

見知らぬスーツを着た、金持ちそうな男性が私にニコニコしながら声をかけてきた。良く見ると、ダルダル男だった。

「さあ、飯食いに行くぞ!」

え?
私は、彼に腕を掴まれたまま店の外に出た。本当に嫌なら振り払うことだってできたはずなのに、なんか気持ちいい。なま温かい風が髪の毛を揺らす。薄暗くなった人通りの多い街を、気づけば男は私の手をがっちりと掴んでいた。男の指にはめてある指輪をとっくに知っていたから、きっとこのまま行けば、不倫が始まってしまうんだろう。後ろ指刺される女になってしまうんだろう。でも……。

私は、ダメな人間のようだ。こんなおかしな出会い方をしてしまった親子ほど年上の男性を、本気で好きになってしまったから。不倫とは、倫理に反すること。だけど、私は彼の体温を手放すことなんてできない。

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