探偵事務所に勤務していた経験をもつ野村雄二が実際に担当した調査の事例を紹介します。守秘義務があるので個人が特定できない範囲の情報を掲載しています。浮気調査や個人調査を考えている人の参考になれば幸いです。
調査の概要
ある個人経営の企業内で売上金が減っているという問題が発生。従業員の素行調査を行うとともに、原因をつきとめる。
依頼主の年齢:58歳
依頼主の性別:男性
総調査期間:7日間
料金:34万円
相談内容
個人経営の企業の社長さまから相談で、お店の売上金が徐々に減っていっているので困っているとのこと。お店には社員、パート、アルバイトが10数名在籍していて、人の入れ替わりが激しい状態。
売上金が減っている原因は想像がつくものの、何も証拠がないために、従業員を指摘するわけにはいかない。お店の中の調査をするとともに、特定の従業員に対して素行調査を行って、原因をつきとめてほしいという依頼でした。
調査内容
まずは依頼者さまの許可を得てお店の中を調べ、お金が動く動線をおさえてポイントを絞りました。後日、ポイントに特殊機材を設置して、人とお金が接触するシーンを映像としてとらえられるよう準備をしました。
調査開始後は撮影された店内の様子をチェックし、映像に不審な点がないかを確認しました。すると、ある従業員が売上金計算のためにレジスターを持ち出す様子が映しだされ、その動きに不審な点があることを確認しました。
売上金計算はすべて店内で行われますが、その作業を任せられるのは数人だけ。しかし、1人だけが他の従業員と違う動線をとってレジスターを運ぶ様子が映っていました。その映像を依頼者さまに確認してもらい、調査結果に納得していただきました。
調査を終えての感想
この事例は、特殊機材のみを使って行った、不特定の人への素行調査です。結果として、不審な点のあった人物と、依頼者さまが予想していた人物が一致していたことが分かりました。
依頼者さまは、その1人が売上金計算する前のレジ内の現金を見て、計算後の現金が合っているかを確認しましたが、結果は不一致。明らかに、店内で窃盗が行われていた可能性が出てきました。
しかし、窃盗の現場そのものを証拠としておさえたわけではないので、すぐに事件として届け出ることはしなかった様子。依頼者さまはその事実を従業員には告げず、人員を調整することで問題解決をしたということです。刑事事件として届け出なかった背景に、依頼者さまの、あらゆる意味の配慮が見えました。
こういった企業での調査は後を絶ちません。事件化したくないという配慮があるために、黙認している企業さまも多いようです。
記事の担当
探偵事務所 元調査員:野村雄二
大学卒業後に警備会社に就職。その後大手の探偵事務所に転職し、調査員として300件以上の浮気調査、企業調査、素行調査、結婚調査などを担当。探偵として一人一人のお悩みに向き合いながら、多くの調査をして相談者を解決に導く。10年以上に渡って勤務し、現在はその経験を活かして探偵に関する情報提供やコンサルティング、ライティングなどに従事している。2016年から探偵ポータルの編集長として探偵に関する記事を担当している。