探偵事務所に勤務していた経験をもつ野村雄二が実際に担当した調査の事例を紹介します。守秘義務があるので個人が特定できない範囲の情報を掲載しています。浮気調査や個人調査を考えている人の参考になれば幸いです。
トラブルの概要
奥さんが浮気をしたために、旦那さんが探偵事務所に浮気調査を依頼しました。奥さんはキャバラクラで働いている方で、そこで知り合ったお客さんと関係をもって不倫をしている様子。
旦那さんは浮気があるとわかってはいるものの、奥さんの職場がお店であることから自分で店に入って様子を見ることができずに調査を依頼しました。
探偵事務所は客として店に入り、奥さんの様子を確認、特定の男性とつながりがあるかを調べていきました。しかし、接客業という職業柄、どの男性ともつきあいはあり、不特定のお客さんと同伴もしている様子。
店外での特別なつきあいがあるかは、わかりませんでした。しかしながら、数人ほど深い関係にあると判断できるようなお客さんがいたため、「スタッフとお客さん」という立場での事実を旦那さんに報告しました。
すると、その数日後、調査を続行していた調査員の前に旦那さんが現れ、店外で同伴している奥さんとお客さんに対して声を荒げる様子が見てとれました。調査員はすぐ外にでて、激高している旦那さんの様子を確認しましたが、旦那さんはその客の男性に対して恫喝しているのがわかりました。
その場はおさまったようですが、この行為に対して、探偵事務所側の代表は契約を解除する旨を伝えました。契約書に記載のとおり、調査対象者などに対して、暴力行為や違法行為、迷惑行為、またはそれに準ずる行為をした場合は契約を解除すると告げたのです。
旦那さんは納得がいかない様子でしたが、トラブルになる可能性があると判断し、探偵事務所側が契約を解除して調査を打ち切りました。
トラブルの原因
旦那さんはかなり感情的になって、奥さんと客の男性に対して詰め寄っていました。しかし、浮気調査の段階では、その男性が「浮気相手であるという事実は確認できていません。」
旦那さんはまったく無関係のお客さんに対して怒りをぶつけて、奥さんの仕事を妨げていた可能性があります。浮気調査の場合、調査の途上で浮気相手がわかったと同時に感情的になって行動してしまう依頼者がいます。このケースでは契約書に記載の事実を破って迷惑行為に準ずる行為をしたことがトラブルの原因です。
トラブルの対策
冷静さを欠いて感情的になっても、問題が解決するまでは、お互いが水面下で浮気調査をする必要があります。
きちんと契約書に記載されていることを守り、決して暴力行為や迷惑行為などをして刑事罰の対象にならないよう、自分をおさえる必要があるでしょう。
浮気をされた被害者の立場であっても、自身は法律で戦うということを念頭に、探偵事務所と連携して問題解決をしていくことが大切です。
記事の担当
探偵事務所 元調査員:野村雄二
大学卒業後に警備会社に就職。その後大手の探偵事務所に転職し、調査員として300件以上の浮気調査、企業調査、素行調査、結婚調査などを担当。探偵として一人一人のお悩みに向き合いながら、多くの調査をして相談者を解決に導く。10年以上に渡って勤務し、現在はその経験を活かして探偵に関する情報提供やコンサルティング、ライティングなどに従事している。2016年から探偵ポータルの編集長として探偵に関する記事を担当している。