探偵事務所に勤務していた経験をもつ野村雄二が実際に担当した調査の事例を紹介します。守秘義務があるので個人が特定できない範囲の情報を掲載しています。浮気調査や個人調査を考えている人の参考になれば幸いです。
調査の概要
ある女性からの依頼で、自宅の周りに、明らかに自分への誹謗中傷とみられるビラがまかれているとのこと。警察に相談したものの、ハッキリした証拠がないため事件化しづらいとの回答。ビラをまいている人物を特定し、刑事事件につなげる。
依頼主の年齢:42歳
依頼主の性別:女性
総調査期間:3か月
料金:18万円
相談内容
依頼者の女性は大変困っているようで、誹謗中傷のビラが半年間にわたって自宅付近にまかれているとのこと。近隣の住民もいるため、早くやめさせたいこと、ビラをまいている人物を特定して、警察に訴えたいとの相談。
女性は既婚者で、旦那さんとお子さん2人の4人家族。日中は仕事に出ているが、夕方から夜間にかけて誰かがビラを撒いているらしく、自分でも調べてみたが証拠がつかめなかった。近隣の住民はもちろん、家族にもこの事実を知られたくないので、隠密に調査してほしいという依頼でした。
調査内容
まずは、ビラがまかれているという時間帯に調査員が数人で待機。まいている人物は相当警戒しながら執拗な嫌がらせをしているようで、少しでも人影がある時はビラをまかず、絶対にバレないように嫌がらせをしていたようです。夏の暑い時期に草陰に隠れて調査を続けたり、駐車場の中で車のエンジンを切って張り込みを続けました。
すると、2週間が経過した時点で同じ時間帯にほぼ同じ車が通過していることが判明。さらに調査を進めると、ついにビラを撒いている車を特定できました。すぐに追跡調査して尾行しましたが、相手もかなり警戒しているようで、かなり調査が難航しました。
結果的に車の持ち主を特定し、その人物の顔を撮影し、データとして提出しました。女性はこの調査結果に納得しましたが、あとは自分で対処するといって警察に対応してもらうことにしたようです。
調査を終えての感想
一見、浮気調査とは無関係に思えますが、後日、事の真相を聞いたところ、ビラを配っていたのは女性の元浮気相手の男性だったようです。家族にも明かさずに、隠密に調査して事態を収拾したいという女性の要望には、そんな理由が隠されていたようです。
こういった問題はあとをたたず、浮気をしてしまったが、相手ときれいな別れ方ができずに、のちのちのトラブルに発展するケースです。やはり浮気問題はきちんとした決着をつけるべきでしょう。
車の持ち主と人物が特定できたため、調査を続行して、車からビラがまかれるシーンをビデオカメラに撮影。さらに、その車から男性が降りてくるシーンを撮影できたため、車両と人物をつなげることに成功。落ちているビラは証拠品として警察に提出したそうです。
記事の担当
探偵事務所 元調査員:野村雄二
大学卒業後に警備会社に就職。その後大手の探偵事務所に転職し、調査員として300件以上の浮気調査、企業調査、素行調査、結婚調査などを担当。探偵として一人一人のお悩みに向き合いながら、多くの調査をして相談者を解決に導く。10年以上に渡って勤務し、現在はその経験を活かして探偵に関する情報提供やコンサルティング、ライティングなどに従事している。2016年から探偵ポータルの編集長として探偵に関する記事を担当している。