私が26歳の時、不動産会社の営業職として地元の小さな会社で働いていた時のことです。不動産業界の仕事は激務ということもあり、毎日のように残業をしなければいけませんでしたし、時には休日も返上して仕事をしなければいけない状況でした。
私には結婚して3年目になる年上の奥さんと子供が2人居たのですが、仕事に追われる日々を過ごしていたこともあり、家庭の事に目を向ける余裕はありませんでした。
そのような生活を続けていたせいか、自宅に帰っても奥さんとは特に会話をするようなことも無く、険悪な雰囲気が漂っている嫌な家庭となってしまいました。
そんな疲れ果てていた私ですが、ある時22歳の女性社員が会社に入社してきました。彼女は社会人になりたてということもあり、まだ学生のような可愛らしい雰囲気がありましたが、常に笑顔を振り撒くような人でしたので周りの男性社員からちやほやされていました。
この業界の厳しさをこれから知っていくことになるんだろうなと思いつつも、私が嫌だと感じていた仕事に関しては彼女にやらせるようなことはしませんでした。この業界の事を嫌いにならないで欲しいという思いと、人生を楽しく過ごして欲しいという思いがあったので、彼女には優しく接してあげていました。
彼女が入社してから半年近くが経過したある日の事、会社で懇親会をやる事になったので皆で街に繰り出しました。懇親会の最中、私は彼女の事を時折観察していましたが、周りに気配りをし過ぎているせいかご飯を食べることが出来ていない様子でした。
懇親会が終わり、特に2次会も無かったのでその場で解散となりましたが、私は彼女がお腹を空かせているだろうと思い、個人的に2次会に誘い出しました。誘われた彼女はすぐに嬉しそうな表情を浮かべたので、2人で別の居酒屋へと入ることにしました。
緊張の糸が切れたのか、私に気を遣う素振りを見せながらもしっかりとご飯を食べてくれたので私としても嬉しかったです。次第に2人とも酔っぱらってきたということもあり、私は酒の力を借りて彼女の体に少し触れてみたりしました。
彼女は嫌がる様子を見せることもなく、逆に私の体を触り出したりしてきました。これはイケるかもしれないと思った私は、居酒屋を出た後に近くにあるラブホテルへと彼女を連れていきました。
彼女は恥ずかしがりながらも、普段から気さくに接してくれる私に好意を寄せていたということを話してくれました。不倫という関係は良くないことだとお互いに理解はしていましたが、燃え上がる欲望を抑えることが出来ずに彼女と関係を持ってしまいました。
それからは会社が終わった後の夜の時間を利用して、彼女との不倫を楽しんでいました。ですが、彼女と関係を持ち始めてからわずか1ヶ月後に事件が起きました。
私と彼女はいつも通り、地元から少し離れた飲食店でデートをしていました。するとそのお店の中でバッタリと部長に会ってしまったのです。
私と彼女は不倫関係がバレてしまったと覚悟を決めたのですが、なぜか部長はあたふたしていました。私は部長の後ろに潜んでいた綺麗な女性が居る事に気付いた瞬間、状況を悟りました。
部長の奥さんには何度かお会いしていたので顔は良く知っていたのですが、この女性は私の知る部長の奥さんではありませんでした。どうやら部長も不倫をしている最中だったようです。
その場は軽く挨拶をする程度で、お互いに上手く躱しました。あの厳しい部長でも不倫をしているということを知った私達は面白くて仕方がありませんでした。
翌日、私は部長に呼び出されました。「お互いに見なかったことにしよう。」という予想通りのことを言われました。
あの事件から半年近くが経過しましたが、部長とはあの日のことについて話すようなことはしていません。ただ、私と彼女は部長の命令には今まで以上に忠実になりました。
不倫というのは、身近な所で当たり前に起きているということを知ることが出来ました。