離婚時の退職金の財産分与とその計算方法

退職金の財産分与

退職金の財産分与について

退職金は、給料の一部を積み立てておき、退職時にまとめて支払うという性質を持っています。そのため、給料と同様に考えられるので、財産分与の対象となります。専業主婦の場合でも、妻が家事や育児を担っていると考えられるので、妻が退職金を財産分与を受けることは可能です。

しかし、退職金は会社の経営状況や退職理由によってはもらえない可能性のある財産です。それにも関わらず、財産分与してしまうのは夫側に不公平が大きくなります。

例えば、財産分与の対象となる退職金が1000万円だとして、妻の貢献度合いが50%だとすれば、夫は妻に1000万円の財産分与をすることになります。しかし、離婚後に会社が倒産してしまい、退職金が1円も出なかったとしたらどうでしょう。夫は妻に1000万円を支払っているのに、自分は1円ももらえないばかりか、1000万円を失うだけになってしまいます。

退職金は「受け取れない場合がある」というリスクを含む財産なので、そのリスクを公平にすべきというのが、退職金の財産分与に関する基本的な考え方です。この考え方は非常に重要なので、まずはこれを十分に理解しておく必要があります。

すでに退職金が支払われている場合

すでに退職金が支払われている場合は、すでに受け取っているので、「受け取れない場合がある」というリスクはありません。婚姻期間に応じた金額が財産分与の対象とされます。就職と同時に結婚して、専業主婦として妻がずっと家事で夫を支えてきたようなケースでは、ほぼ全額が分与対象になります。

分与の割合としては、就職と同時に結婚し、就職した企業から受け取った退職金については他の財産と同様に半分ずつ分配します。しかし、就職してから結婚するまでに独身の期間があった場合には、その分は控除されることになります。例えば夫が20歳から働いていて、妻と結婚したのが30歳の時ならば、結婚前10年間の分の退職金は夫一人の功績なので、分与の対象からは差し引かれます。

なお、退職をしてからかなりの年月(13年程度)が経過しているようなケースでは、退職金は残っていないと考えられ、分与の対象とならないことがあるので注意が必要です。

まだ退職金が支払われていない場合

まだ退職金が支払われていない場合には、「受け取れない場合がある」というリスクがあるので、それを考慮する必要があります。

受け取れない可能性が高いと判断された場合には、退職金は財産分与の対象から外れてしまいます。逆に言えば、受け取れない可能性が低いと判断されれば受け取ることができます。

具体的なポイントは下記のとおりです。

  • 会社の規定上退職金が支払われることになっているか
  • 会社の経営状況
  • 本人の勤務状況
  • 定年退職までの期間

そもそも、退職金を支払われる規定になっていなければ受け取ることはできませんし、経営状況が逼迫していても受け取ることができません。本人の勤務態度が悪ければ、クビにされてしまうかもしれません。

また、定年退職までの期間が長ければ、退職金の受け取りは先になってしまうので、もらえない可能性も高くなります。厳密な規定があるわけではありませんが、過去の判例では定年退職まで10年以上あるようだと、退職金が財産分与の対象とならないこともあるようです。

金額の計算方法

1.離婚時の退職金の額で算出する場合

離婚時に退職したと仮定して、その時点での退職金の金額を財産分与の対象とするという計算方法があります。

例えば、23歳の時に就職し、33歳で結婚し、43歳で離婚するとします。43歳の時点で退職した場合の退職金が1500万円であれば、婚姻期間の割合は50%ですので、1500万×50%=750万円が分与の対象となる退職金の額になります。

退職金というのは、計算方法が会社によって異なるので、その時点で退職したと仮定して退職金を算出するこの方法は利にかなっているといえます。

2.定年退職時の退職金の額で算出する場合

定年退職時に受け取る退職金を基準として、その金額に夫婦で協力していた期間の割合を乗じるという計算方法もあります。

例えば、23歳の時に就職し、33歳で結婚し、63歳で離婚するとします。最終的に受け取る予定の退職金が4000万円であれば、婚姻期間の割合は75%ですので、4000万×75%=3000万円が財産分与の対象となります。

なお、上記の例はあくまで簡易的な計算例です。正確には中間利息を差し引いたりして計算するので、多少のずれはあります。

また、どのような算出方法をとるのが適切かという問題は、専門的で複雑な問題になります。正確な金額を知りたいということであれば、必ず事前に弁護士などに相談をするようにしましょう。

さいごに

退職金の財産分与については、他の財産とは性質の異なる財産になるので、財産分与の対象になるかどうか、どれくらいの金額を受け取れるかは個々の状況によって大きく異なります。非常に専門的な内容になるので、正確なことは弁護士に相談するようにしましょう。

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